
「介護職員」といえば老人ホームやなんらかの施設で働いている人たちを真っ先にイメージされる方も多いのでは?
揃いのユニフォームを着て、わかりやすく看板を掲げている施設の周辺で何かをしていたり、送迎車から下りてくる姿が印象に残っているからなのではないでしょうか。ところが、頭数で比較すると施設勤務に比べて訪問介護に従業する職員の方が多いのです。
そんな実はたくさんいる訪問介護職員、一体どこにいて何をしているのでしょうか。今回はそんな訪問介護職員の実態について仕事以外の面を多めにご紹介します。
80%くらいの人が…
訪問介護職員は頭数が確かに多いというのは最初にお話しした通りです。
ところが、非正規雇用(パート、アルバイト)で働く人がなんと約8割。施設職員の場合はおよそ6割程度が正規雇用なので明らかな差が存在します。
人数だけで比較すれば確かに訪問介護職員は多いものの、勤務時間数の合計で比較すれば施設職員と変わらないどころか、施設は夜勤がある分訪問の方が少ないまであります。
パートを選択する理由
訪問介護のパートはほとんどが「登録ヘルパー」という勤務形態です。これは会社には出勤せず利用者のお宅へ直行直帰し、実際に働いた時間の分だけお給料がもらえるという仕組みです。一応会社に所属しているパートとして雇用契約を結んではいますが実際は業務委託に近いかもしれません。
最近は移動時の時給や交通費が支給されることが多くなってきたとはいえ、移動のタイムロスやキャンセル時に保証があるわけでもないので単純にお金を稼ぐ目的であればこの形態は不向きと言えます。それでもあえて選ぶということは理由があり、育児や介護で忙しい人やまとまった時間が取れない人にとっては一日一時間程度から勤務できるメリットがあるからです。中には副業として勤務する人もいてスキマ時間の活用としては有用です。
なぜあまり見かけないのか
実はいない・見かけないというわけではなくて、結構あちこちにいてただ「見つけづらい」だけなんです。
正社員として勤務していれば社用車に乗って訪問するし、制服も支給されていることが多いです。これなら目につく機会も増え、なんとなくいるなと感じられることもあるでしょう。
対してパート勤務の人は自家用車に乗っていたり徒歩や自前の自転車で移動しているので、これを仮に見かけたとしても特段目につくことがなく背景の一部としてしか認識できません。制服が支給され着用していることも時折ありますが支給枚数が少なくて毎回着られないということもあれば、寒い時期であれば上着を着ているからわからないし、そもそも恥ずかしいから移動中はヘルパーだと分からないようにしているという人もたまにいます。
訪問介護経験者は町中を自転車で走り去る人を見かけると「あ、ヘルパーだ」と見分けることも可能ですが、これは服装や持ち物である程度判断できるうえ、仕事用のエプロンをつけたまま爆走している人がいるため判別できているのです。関わりのない人からしてみれば見分けることは困難です。
ヘルパーそれぞれの働き方
訪問介護なので仕事そのものはすべて利用者さんのお宅に行って何かしらの介護や家事をしています。時々一緒に買い物に行ったり病院に行ったりもしますがこの原則は変わりません。仕事の話はまた長くなるので別の機会にまとめますね。
正社員であれば会社に出勤して利用者宅を訪問して回り、終われば会社に戻りタイムカードを切って退社するという想像通りの流れなので、今回は正社員ではなくパートのヘルパーについて焦点を当てます。
スキマ時間有効活用タイプ
こちらのタイプは仕事以外にやることがたくさんあるのでスキマ時間を上手く活用して、1日1~3件程度のお仕事をしています。
育児や介護をしている人であれば、お子さんが学校や幼稚園に通っている間や親御さんがデイサービスに通っている間などに働きます。平日毎日のこともあれば週一回のみまで様々で、朝は家事をこなして10時くらいから15時くらいまでの間で働くイメージです。訪問時間を守れてさえいれば移動時間や空き時間の過ごし方は自由なので、自宅の近くで働く人は昼食時に一度家に帰って食事や休憩をとることもあるようです。
仕事が終わったあとも特に会社に顔を出す必要もないので利用者宅を出た瞬間に業務終了です。子供のお迎えに行ったり買い物を済ませたり、自分のペースで生活することができます。
副業・掛け持ちタイプ
副業の人は本業の休日を充てたり終業後の短い時間を充てたりしています。訪問介護は実働時間しか給料が発生しないものの時給は高く、夜間帯は割増賃金もつくので勤務後の短い時間を副業に充てる人にとっては割とおいしい仕事なんだそうです。
ここでいう掛け持ち勤務はメインとなる正社員の仕事はなく、様々な介護施設や訪問介護事業所でパートやアルバイトを掛け持ちしている人のことを指します。登録ヘルパーで単一の事業所からもらえる仕事では足りない人、定年の年齢を過ぎてしまった人、一か所に縛られたくない人など様々な事情があるようですが、中には24時間働いて24時間休む生活が体に合っているという人がいてこの場合ひとつの施設では連続で勤務できる時間に上限があるので仕方なく掛け持ち勤務をしているとのことでした。
効率は〇。でも…
介護の仕事をしようと思っている人が短い時間を有効活用するには訪問介護という仕事はおすすめと言えます。事業所に所属するだけであればよほどのことがない限りほとんど採用されると言ってもいいほど間口は広いと思います。
とはいえ超えなくてはならないハードルがあり、まず第一に
介護職員初任者研修以上の資格が必須
難しい筆記試験などはありませんがスクールに通うなり通信教育を受けるなり、なんらかの教育を受けてお免状を発行してもらわなければなりません。費用は10万円前後かかり、期間も3カ月から半年程度とそれなりの時間を要します。施設勤務であれば無資格からでも募集があるため手っ取り早く働きたい人には向かないかもしれません。
次に訪問介護の登録ヘルパーならではのデメリットは、
雨が降ろうが槍が降ろうが行かなければならない
ヘルパーの訪問がなければ命を繋げない人も確かにいるため、いくら大雪でもどんな悪天候でもキャンセルにならない限り仕事に行く必要があり、そんな状況でも外に出なければならないという点は忘れてはいけません。あまりにひどい状況であれば社員が代理に入ってくれることもありますが、職員の数に限りがある以上は全部代わってくれるかどうかは難しいところです。
キャンセルになったら無給
自分の条件に合う仕事が来なければ無給
仕事がなければ無給という点が最大のデメリットかもしれません。なんらかのアルバイトで勤務したとしたら客が来ようが来まいが時給は支払われますが、登録ヘルパーは仕事がない限りいくら待機していても給料は発生しません。
また、自分の都合がいい時間にちょうどいい仕事があるかどうかはその事業所の力とめぐり合わせ次第であり、働ける時間が少なくなるほど仕事をもらえる確率が下がっていきます。仕事がなかなかもらえず次から次へと事業所を変えすぎて”ジプシー”のようになっている人もいるので、もし働こうという際には自分の条件でもらえる仕事が具体的にあるかどうか確認してから契約書にサインしましょう。
それでも訪問介護は楽しい
なかなかのネガティブキャンペーンを展開してしまいましたが私個人的には介護をやるなら訪問介護が一番楽しいと思っています。自分の判断でよりよい暮らしの一助となれる使命感、一対一で相手を見れるコミュニケーションの楽しさ、空き時間の自由な過ごし方。感じ方は人それぞれですが少なくとも大人数よりも少人数のコミュニティの中が心地よいタイプや責任感の強いタイプの人には一押しです。
さて、この「空き時間の自由な過ごし方」、こっそり愉快なことをしているのでまた改めてご紹介できればと思います。多分そっちの方が興味を持っていただける方も多いかな?ぜひぜひお読みください。



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