
訪問介護は誰かのお宅に行って、そのお宅の中でお手伝いをするお仕事です。サービス内容を大別すると身体介護と生活支援に分かれているのですが、今回はこの”生活支援”のお話です。
生活を支援する、とどのつまり家事のお手伝いということです。一般的な家事全般が仕事内容に含まれ、そのうち利用者さんが必要している部分を最低限手助けする、というのがヘルパーのお仕事です。
なんといっても最低限というのも人によって異なるし、家事へのこだわりの有無や生活環境、経済状況などにも左右されるため訪問介護に同じ仕事はひとつとしてありません。そこがおもしろさであり、辛いところでもあるんですけどね。
レッツ・クッキング!
今回は家事のうち、調理についてのお話です。
生活援助の場合、調理と言っても温めるだけの場合や下ごしらえだけの場合もあるので、どこでもちゃんとお料理をしているわけではありません。まあおもしろくなるような話はどちらかというとしっかりお料理しているときが多いかな?
ではでは行ってみましょう。
CASE1.肉なしの…
要望:肉じゃがが食べたい。だけど歯が痛いから肉は食べられない。でも肉は入っていないとダシが出ないから嫌だ。出来上がり後に取るのももったいない。でもやっぱり肉は歯が痛い。
対応:用意されている肉は豚バラだったので細かく包丁を入れ下茹でをし、滞在時間ぎりぎりまで煮込み最大限柔らかく嚙まなくても崩せるよう仕立てた。
これ多分私が一番最初に出会った無茶ぶりかもしれません。やったこと自体は大したことではないのですが、何度も歯が痛いから~をアピールされてどうしたもんか、これでどうにかなるんだろうかと気が気じゃありませんでした。
CASE2.キャベツだけで…
要望:ホイコーローが食べたい。肉も缶詰も切らしてる。今はお金がないから買い物はダメ。
対応:キャベツはあったので食べ応えがあるよう大きめにカット。中華系の調味料も切らしていたため甘みそ炒め風に。
肉もないし買い物もダメでホイコーローとはどういうこっちゃ?となりました。これ実際はホイコーローが食べたいというより、ちょっとこってりした炒め物が食べたいという気持ちだったようです。
CASE3.大量の…
要望:そこのビニール袋に入っているイワシをさばいてほしい。
対応:大きめのものは三枚に下ろし、小型のものはハラワタの処理。(100匹分くらい)
これバレたら怒られそうな案件ですが、10年以上前の話なので時効ということにしておいてください。ご夫婦での利用で、いつも大した仕事はないのに時間だけは長かったんですよね。それにしてもビニール袋いっぱいのイワシにはビビりました。
CASE4.ママの味
要望:ここにある野菜だけで三品ほど作ってほしい。(人参、ほうれん草、もやし)料理の味は全部変えてほしい。(調味料は醤油と砂糖だけ)
対応:卵なし人参しりしり、ほうれん草のおひたし、もやしの甘辛の…なに?
私が遭遇した中ではこれが一番無理難題です。なんとか作ったもののこれ結局濃淡が違うだけでは…?この方、顆粒だしはおろか鰹節もNG、みりんや料理酒、めんつゆすら買わない!いらない!とこだわりをお持ちでした。ちなみに、この方の亡くなったお母様は醤油と砂糖だけでもっとおいしいものが作れて、料理ももっと種類があったそうですよ。
んなわけあるかい!
CASE5.おしゃれでおいしいやつ
要望:あなたの料理が食べたい
対応:任せろ
これは少なくとも私に対する無茶ぶりではなく、どちらかというとほかのヘルパーさんへの無茶ぶりに近いですね。この方はかなり若い利用者さんで、介護保険ではなく障害の方でのヘルパー利用でした。元々かなりの美食家でおしゃれなものが好きな方なこともあり、家庭的でお姉さんすぎるヘルパーさんの料理はお眼鏡に叶わず口にも合わなかった模様。
できる限り頑張るけど
食事は日々の楽しみに欠かせませんよね。だからこそなるべくその方が食べたいものをできる限り用意できるようにしています。
とはいえ、あんまり無茶なことばかり言われてしまうのは困ってしまいます。それこそ無から何かを生成することはいくらなんでもできませんからね。
今回は印象的な5つのケースをご紹介してみました。まだまだ調理にまつわるエピソードはありますのでまた機会があればご披露したいと思います。



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