~介護者が知っておきたい工夫と安心のヒント~
はじめに
「夜になると親が眠らず、家の中をうろうろしてしまう」「こちらも眠れなくて、介護どころか生活自体が限界…」
そんな声は少なくありません。
認知症の進行に伴い「昼夜逆転」「不安からの徘徊」「同じ言葉を繰り返す」などの症状が出ることは珍しくなく、介護者にとって大きな負担になります。
この記事では、なぜ認知症の親が夜眠らなくなるのか、そして介護者ができる対応策・工夫・支援の使い方を整理していきます。
なぜ認知症の親は夜眠らないのか?
1. 体内時計の乱れ
人間は脳内の「体内時計」で昼夜を感じ取りますが、認知症ではこの機能が低下します。
そのため 昼間に眠って夜に目がさえる という「昼夜逆転」が起こりやすくなります。
2. 不安や混乱
「ここはどこ?」「どうして一人なの?」といった不安感が夜に強まり、落ち着かなくなることもあります。
3. 身体的な不調
・排尿の回数が増える(頻尿・前立腺肥大など)
・痛みやかゆみがある
・薬の副作用で眠気や覚醒に影響が出ている
こうした要因も眠れない原因になります。
4. 環境の影響
昼間の活動が少ない、照明の使い方が不適切、静かすぎて不安になる――。
環境も眠りに大きく関係します。
介護者ができる工夫と対応
1. 昼間の活動量を増やす
・軽い散歩や体操を取り入れる
・デイサービスを利用して、日中に人と関わる時間を作る
→ 体を動かすことで夜に眠りやすくなります。
2. 昼寝は30分以内に
長い昼寝は夜眠れなくなる原因に。
「昼寝は午後の早い時間に30分まで」と工夫しましょう。
3. 照明の工夫
・昼間はカーテンを開けて太陽光を浴びる
・夜は柔らかい照明で安心感を与える
・真っ暗にせず足元灯を点ける
→ 不安を和らげ、夜間の徘徊防止にもつながります。
4. 声かけの仕方
眠れず起きてきたときに「早く寝て!」と強く言うと逆効果。
「どうしたの?」「少しお茶を飲んで休もうか」と安心感を与える声かけが効果的です。
5. 安全対策
・階段や玄関にセンサーライトを設置
・転倒防止マットを敷く
・夜間の外出防止にチャイムやセンサーを取り付ける
「眠れない」ことを完全に止めるのは難しいため、安全を確保する発想が大切です。
医療面でのアプローチ
1. 服薬の見直し
睡眠薬を安易に使うのはリスクがありますが、医師に相談して「副作用で眠れない薬がないか」をチェックしてもらうことは重要です。
2. 認知症外来の活用
認知症専門医は「夜眠らない」症状にも対応するノウハウを持っています。
精神科や老年科に相談するのも一つの手です。
3. 睡眠導入剤・漢方薬
必要に応じて軽い睡眠薬や漢方が処方されることもあります。
ただし、転倒やふらつきの副作用に注意が必要です。
介護者の負担を減らす工夫
1. デイサービス・ショートステイの活用
夜眠らず介護者が消耗している場合、一時的にプロに任せる選択が有効です。
2. 見守り機器の利用
カメラ・センサー・通知機能付きの機器を導入すれば、常に起きて見張る必要がなくなります。
3. 家族や地域のサポート
「夜眠れない親の対応を一人で背負わない」ことが大切。
ケアマネや地域包括支援センターに相談し、制度をフル活用しましょう。
介護者自身のセルフケアも忘れずに
夜眠れない親に寄り添う介護は、想像以上に消耗します。
だからこそ、介護者自身が 「休む」ことを最優先に考える 必要があります。
・昼間に仮眠をとる
・誰かに一晩任せて休む
・介護者仲間と愚痴を共有する
「自分が倒れては元も子もない」と割り切ることが、長期戦の介護を続ける秘訣です。
まとめ
認知症の親が夜眠らないとき、完全に解決するのは難しい課題です。
しかし、
- 昼間の活動を増やす
- 昼寝・照明・声かけを工夫する
- 医療・福祉サービスを活用する
- 介護者自身が休む仕組みを作る
この4つを組み合わせることで、「眠れない夜」に振り回されず、少しずつ生活を立て直すことができます。



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