1. 認知症入居者の「急なトラブル」ってどんなこと?
介護の現場で働いていると、「今日は平和だな〜」と思った矢先に、突然の嵐がやってくることがあります。そう、**認知症入居者さんの“急なトラブル”**です。
- 急に怒鳴られる
- 急に立ち上がって転びそうになる
- 急に玄関に向かって歩き出す
- 急に「帰る!」と荷物をまとめ始める
…なんてこと、経験ありませんか?
「え?さっきまでニコニコしてたのに?」と戸惑うのは日常茶飯事。
でも、これが認知症ケアの難しいところであり、同時に“腕の見せ所”でもあります。
トラブルを完全にゼロにすることはできませんが、現場で落ち着いて対応できるコツを持っておくと、自分も利用者さんも安心できます。
2. トラブル対応の基本は「安全第一+冷静さ」
まず大前提は 「安全第一」。
どんなトラブルも、利用者さんの体と自分の体を守ることが最優先です。
- 転倒しそう → すぐに支える
- 暴言や暴力 → 無理に抑えず距離をとる
- 徘徊 → 危険がないように見守る
次に必要なのが 「冷静さ」。
ここでスタッフが焦って慌てると、利用者さんの不安や怒りに火を注ぐことになりがちです。
「まず深呼吸」「声のトーンを落とす」「表情を和らげる」――これだけで状況が変わることも少なくありません。
現場では「とにかく安全、そして落ち着いて」が合言葉です。
3. よくあるトラブル1|暴言や怒りへの対応
「〇カ!」「うるさい!」の嵐
突然の暴言、正直心にグサッときますよね。でも、認知症の症状として「言葉が強く出る」ことは珍しくありません。
対応のコツ
- 受け止めすぎない:「自分が嫌われた」と考えない
- 否定しない:「そんなこと言わないで」は逆効果
- 一旦離れる:距離をとることで落ち着くケース多し
冗談交じりに「いや〜今日は雷注意報だなぁ」と心の中でつぶやくくらいの余裕を持てると、意外とこちらの気持ちが楽になります。
4. よくあるトラブル2|徘徊や外出したがる時
「家に帰らなきゃ」「子どもが待ってるから」――これも現場あるあるです。
危険を避ける工夫
- 靴を隠すより、靴を履いたまま室内を歩いてもらうほうが安心
- 「帰る準備」に寄り添いつつ、話題を少しずつ逸らす
- 「今日はもう遅いから、明日一緒に行きましょう」と穏やかに
徘徊は止めるより「安全に見守る」ほうが成功率が高いです。
チームで交代しながら見守れるように、情報共有も欠かせません。
5. よくあるトラブル3|介助拒否や不機嫌な態度
「お風呂入りましょう」→「イヤだ!」
「ご飯ですよ」→「いらない!」
…これも日常茶飯事。
コツは“無理強いしない”
- タイミングを変える:「今じゃなければ後で」
- 言葉を変える:「お風呂」→「ちょっと体をさっぱりしましょう」
- スタッフを変える:別の人ならあっさり受け入れることも
介助拒否は“その人の尊厳の表現”でもあります。怒らず「今日はそういう気分なんだな」と受け止めることが大切です。
6. よくあるトラブル4|転倒やケガのリスク場面
転倒は一番怖いトラブル。ほんの数秒の油断が事故につながります。
リスクを減らすポイント
- 床は常に乾いた状態に
- ベッド周りは片付けておく
- 移動の時は必ず声をかけて寄り添う
「とにかく先回りして環境を整える」ことが基本。現場では“予防が最大の対応”です。
7. 現場で役立つ「チーム連携」と情報共有のコツ
トラブル対応は一人で抱え込むと疲れます。
チームで共有し、連携することが心強い武器になります。
- 「昨日は○○さん、夕方に怒りっぽかったよ」
- 「この声かけなら落ち着いたよ」
- 「この時間帯は要注意」
こうした情報をみんなで回すだけで、対応がずっとスムーズになります。
LINEや連絡帳、申し送りなど、形式にこだわらず「とにかく伝える」ことが大切です。
8. 急なトラブル後のスタッフの心のケアも忘れずに
暴言を受けたり、危険な場面を経験すると、スタッフの心にもダメージが残ります。
- 「あれは私のせい?」と責めない
- 同僚と話して気持ちを吐き出す
- 休憩で好きな飲み物を飲む
現場はハードだからこそ、自分の心のケアも仕事の一部です。
お互いに声をかけあって「お疲れさま」「大変だったね」と認め合うことが、職場の雰囲気を和らげます。
9. 無理せず、できることから対応力を磨こう
認知症入居者さんのトラブル対応に「完璧な正解」はありません。
大事なのは、できる範囲で安全に、そしてチームで支えること。
トラブルがあっても「次はこうしよう」と学びに変えるだけで、スタッフとしての経験値は確実に上がっていきます。
💡 まとめ
- 暴言 → 受け止めすぎず、距離をとる
- 徘徊 → 止めるより安全に見守る
- 介助拒否 → 無理強いせず、工夫して声かけ
- 転倒リスク → 先回りで環境整備
- スタッフの心 → ケアも大事
認知症ケアは大変ですが、チームで知恵を出し合えば乗り越えられるものです。
「一人じゃない」と思えることが、結局は一番の安心材料になります。



コメント