災害は突然やってくる、家族で備えよう
在宅介護をしていると、災害への不安はどうしても大きくなります。地震、台風、豪雨、停電…。もしそのとき家族が介護している人と一緒にいて、何も準備していなかったら…考えるだけで心臓がドキドキしてしまいます。
特に認知症の方や体が不自由な方がいる家庭では、避難や停電時の対応が一層大変です。しかし、ちょっとした準備を日常に取り入れるだけで、不安はぐっと減り、実際に災害が起きたときも落ち着いて行動できるようになります。
エピソード①:台風の日に停電
ある夏、Cさん宅は大きな台風に見舞われました。電気が止まり、冷蔵庫の中の食材も心配。介護している母は足元が不安定で、ろうそくの明かりでは移動も危険でした。
幸い、Cさんは事前に懐中電灯や簡易ラジオ、飲料水、非常食を備えていました。母が夜中にトイレに起きても、ライトと手すりの位置を把握していたおかげで安全に移動できたのです。
この経験から、Cさんは「日常的な小さな備えが、いざというときに家族を守る」と痛感しました。
明日からできる災害への備え
災害対策①:避難ルートと避難場所の確認
まずは「もし自宅から避難する場合」のルートと場所を家族で確認しておきましょう。
- 自宅から徒歩で行ける避難所の場所を地図でチェック
- 車いすや杖で移動する場合のルートを事前に確認
- 災害時に使える公共交通や地域の支援サービスも調べる
ポイント:避難所で混乱しないよう、事前に家族で「避難の練習」をしておくのもおすすめです。
災害対策②:非常持ち出し袋の準備
非常持ち出し袋は介護家庭にとって特に重要です。中身は「介護する人」と「介護される人」の両方を想定して準備しましょう。
- 飲料水(1人1日3リットルを目安)
- 非常食(介護食ややわらかい食品も含む)
- 懐中電灯・予備電池
- 携帯電話充電器(モバイルバッテリー)
- 常備薬・医療用品・おむつや介護用手袋
- 停電時用の簡易トイレや防寒グッズ
コツ:軽く小分けにして持ちやすく、かつ取り出しやすい場所に置くこと。いざというときに迷わない工夫が大切です。
災害対策③:停電・断水への備え
停電や断水が起きたときは、日常の動作がそのままではできなくなります。
- 水はお風呂やポリタンクに事前に貯めておく
- 冷蔵庫に入れている薬や介護食は、保冷バッグや保冷剤で一時的に温度を保つ
- 手動で使えるライトやラジオを準備
- 調理ができない場合に備えて、缶詰やレトルト食品もストック
こうした備えを「家族で一緒に確認する」だけでも、心理的な安心感が増します。
災害対策④:家族間の連絡方法
災害時は電話やネットが使えないことがあります。事前に連絡方法を決めておきましょう。
- 連絡先カードを持たせる
- SNSやメールのほか、緊急時の集合場所を決めておく
- ご近所や自治体の連絡網も活用
特に介護中の家族がいる場合は、「誰がどの情報を持つか」をあらかじめ分担しておくと混乱を防げます。
チェックリスト:在宅介護家庭の災害準備
- 避難ルートと避難所を確認
- 非常持ち出し袋を準備
- 停電・断水への備え(飲料水・簡易トイレ・照明)
- 家族間の連絡方法を共有
- 近所や自治体と協力する
エピソード②:避難訓練で安心感が生まれた
Dさん宅では年に1回、家族で避難訓練を行っています。認知症の祖母を車いすで避難させる練習も兼ねていました。訓練の後、祖母は「怖くなかった」と笑顔。家族も「いざというときに落ち着ける」という安心感を得ました。
まとめ:日常の準備が安心につながる
災害は予測できませんが、日常のちょっとした備えが、いざというときに家族の命と安全を守ります。
介護家庭では、本人の安全と家族の心の安心の両方を意識して、避難・停電・連絡・非常持ち出し袋の準備を少しずつ整えていきましょう。



コメント