秋は“油断の季節”——気温差に負けない介護の知恵
朝はひんやり、昼はぽかぽか。夕方になるとまた冷えて…。
そんな秋の気温差に「何を着せたらいいの?」と悩む介護家族、多いですよね。
夏の疲れが残る時期でもあり、高齢者は体温調整がうまくできず、ちょっとした気温差で体調を崩しやすくなります。
「風邪をひいたと思ったら肺炎だった」「冷えたせいでトイレの回数が急に増えた」なんてことも。
でも、少しの工夫で防げることもたくさんあります。
今日は、秋の気温差に負けない服装と室温管理のコツを、介護の現場でも家庭でも使える形で紹介します。
「ちょっと寒い」でも体は正直
若い人なら「ちょっと肌寒いな」で済む温度差も、高齢者には大問題。
なぜなら、加齢によって皮膚感覚が鈍くなり、寒さを感じにくくなるからです。
たとえばこんな場面、心当たりありませんか?
- 朝方、布団をはいで寝ているのに「寒くない」と言い張る
- 昼間は半袖で平気なのに、夕方に急に震え出す
- エアコンを嫌がって暖房をつけず、部屋がひんやりしている
つまり、「寒い」と言葉に出さなくても、体はしっかり影響を受けています。
服装の基本は「重ね着で調整できる」こと
高齢者の秋の服装は、薄手のものを重ねて調整できるのが鉄則です。
1. 朝晩の冷えには「薄手のカーディガン」が最強
朝晩の冷え込み対策には、脱ぎ着が簡単な前開きカーディガンが便利。
室内なら、裏起毛やフリース素材よりも「軽くて通気性のあるもの」がベターです。
「モコモコの服を嫌がる」「動きにくい」という方には、ストレッチ素材やスウェットタイプもおすすめ。
2. 足元と首元は“保温の要”
「足が冷える」「首がスースーする」——これが秋の体調不良の入口です。
靴下は締め付けすぎず、滑り止め付きが安心。
首元はタオルを巻くだけでもずいぶん違います。
ちなみに、首・手首・足首の“3つの首”を温めると、体全体がポカポカしますよ。
3. パジャマも“秋仕様”に切り替え
夏のパジャマのまま過ごしていませんか?
夜の冷え込み対策には、薄手の長袖+綿素材がおすすめ。
寝汗を吸ってくれて、温度変化にも対応しやすいです。
「夜中トイレに行くとき寒い」と言う方には、ベストやレッグウォーマーを追加。
寝具も軽めの毛布を1枚プラスするだけで、風邪予防になります。
室温管理のポイントは「湿度」と「温度の差」
秋の室温管理で見落とされがちなのが「湿度」。
空気が乾燥してくると、喉や気管が荒れて咳が出やすくなります。
理想は——
- 室温:22〜25℃
- 湿度:50〜60%
このバランスがとれると、体も呼吸もラクになります。
1. エアコンは「弱運転+サーキュレーター」
高齢者の部屋では、エアコンを“点けっぱなし”にしても構いません。
「冷えすぎる」と感じたら、風向きを上向きにしてサーキュレーターで空気を回しましょう。
2. 加湿器より「濡れタオル+コップの水」
乾燥しすぎたら、夜寝る前に濡れタオルを部屋にかけるだけでも効果的。
電気代ゼロで加湿できます。
枕元にコップの水を置いておくと、朝の喉の痛みも軽減します。
ヒートショックに注意!秋の入浴リスク
「ヒートショック=冬」と思われがちですが、秋も危険です。
昼間はまだ暖かいのに、夜の浴室が急に冷えることで血圧が乱高下します。
- 入浴前に洗面所を暖める(小型ヒーターやドライヤー)
- 湯温は40℃以下、浸かる時間は10分以内
- 介助する側も無理せず、声かけを忘れずに
浴室での事故は、秋口からすでに増え始める傾向があります。
気温差がある日は「無理しない日」と決める
秋は“介護疲れ”も出やすい季節です。
介護する人も、される人も、気温差に体がついていけず「なんとなくだるい」状態に。
そんな日は無理に外出せず、「今日はゆっくりデー」にしてしまいましょう。
温かいお茶を飲みながら、家族で昔の話をするだけでも心がほぐれます。
エピソード:母と秋の毛布
80代の母を在宅介護しているAさん。
「母が寒いって言うから毛布を出したら、“もう冬かい?”って笑われちゃってね」と言います。
でもその晩から咳が止まらなくなり、翌日病院へ。診断は“軽い風邪”。
医師に「この時期は侮れませんよ」と言われて、Aさんは毛布を2枚重ねにしました。
それ以来、母は毎晩「ぬくぬくして幸せ」と言うようになったそうです。
ちょっとした服装や室温の調整が、介護生活をぐっと穏やかにしてくれるんですね。
まとめ:秋の変化に気づける介護者になろう
秋は、「夏の疲れ」と「冬の寒さ」のはざま。
高齢者にとっては一年の中でもっとも体調を崩しやすい季節です。
でも、少しの気づきと工夫で防げることもたくさんあります。
- 服装は重ね着で調整
- 室温は22〜25℃、湿度は50〜60%
- ヒートショック対策を忘れずに
季節の変わり目を穏やかに乗り越えることが、介護生活を長く続けるコツ。
「秋の空気って気持ちいいね」と笑える日が増えたら、それが最高の介護です。



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