はじめに
10月に入ると、朝晩の空気が少しずつ冷たくなってきます。
「まだ早いかな」と思っているうちに、気づけば手足が冷えていたり、利用者さんやご家族が風邪を引いてしまうことも。
特に高齢者は、体温調節機能が低下しており、寒さを感じにくいのに体は冷えていることが多いのです。
そのため、冬本番を迎える前に、今から少しずつ準備を始めておくことが大切です。
この記事では、在宅介護中の家庭で実践できる「冬支度のポイント」を、衣類・寝具・暖房・食事などの面からわかりやすく紹介します。
冬支度は10月からが正解!高齢者が寒さに弱い理由
高齢者は、筋肉量の減少や血流の低下により、若い頃よりも体温を維持しにくくなっています。
また、感覚の鈍化によって”「寒い」と感じにくい”ため、気づかないうちに体温が下がるケースも少なくありません。
その結果、
- 血圧が急上昇してヒートショックを起こす
- 免疫力が下がって風邪や肺炎にかかりやすくなる
- 体がこわばって転倒リスクが上がる
といったリスクが増します。
だからこそ、「寒くなってから」ではなく、10月中に少しずつ冬仕様に切り替えることが重要です。
衣類と寝具の入れ替えポイント
重ね着より「空気をためる工夫」
介護中は動きやすさが大切です。厚手のセーターを何枚も重ねるより、発熱インナー+薄手のカーディガン+軽いベストなど、空気の層を作る組み合わせが効果的。
また、首・手首・足首の「三首」を温めると、全身の冷え対策になります。
寝具は「保温」と「湿度管理」が鍵
布団を厚くするだけでなく、毛布の位置にも注意しましょう。毛布は体の上よりも「下に敷く」方が熱が逃げにくくなります。
また、電気毛布を使用する場合は、就寝前に温めてからスイッチを切るのが安全です。乾燥しすぎると肌トラブルにつながるので、加湿器の併用もおすすめ。
暖房器具を安全に使うための準備
冬の介護で最も多い事故のひとつが、暖房器具の誤使用や転倒事故です。
石油ストーブや電気ヒーターは便利ですが、コードに足を引っかけたり、衣類が近づいて火災になったりすることもあります。
暖房チェックリスト
- 電気コードは家具の下を通さない
- ヒーターの前にはカーテンを置かない
- ストーブ周辺にタオルや衣類を干さない
- 消し忘れ防止タイマーを設定
- 空気清浄機や加湿器のフィルターを清掃
さらに、室内温度は20〜23℃、湿度は40〜60%を維持するのが理想です。
エアコンの風が直接当たらないよう、風向きも調整しておきましょう。
ヒートショックを防ぐ「家の中の温度差」対策
冬になると、居間は暖かくてもトイレや脱衣所が極端に寒い家が多いです。
この温度差が、血圧の急変によるヒートショックを引き起こします。
すぐにできる温度差対策
- 脱衣所に小型セラミックヒーターを設置
- トイレに断熱マットや足元ヒーターを設置
- 入浴前に浴室を温める(お湯を張ってドアを開けておく)
- 家の中をドアを開けて暖気を循環させる
家族がつい忘れがちなポイントですが、室内の温度差が5℃以内に収まるよう意識するだけでも事故防止になります。
食事でできる冬の体調ケア
寒い時期は、食欲が落ちたり水分摂取が減る傾向があります。
高齢者の場合は、これが脱水や便秘、低栄養につながることも。
身体を温める簡単メニュー例
- 朝は「味噌汁+ごはん+焼き魚+お茶」など、温かい和食中心
- 間食には「ゆでたまご」「温かい甘酒」「スープ」などをプラス
- 飲み物は常温の麦茶や白湯をこまめに
体の内側から温めると、冷え対策だけでなく免疫力アップにもつながります。
また、冬はビタミンDが不足しやすいため、鮭やきのこを積極的に取り入れましょう。
在宅介護で冬を乗り切る「ちょっとした習慣」
- 就寝前に「湯たんぽ」を使う(朝まで温かい)
- 朝の見守り時に「手足の冷え」を確認する
- 加湿器の水替えは毎日行い、カビを防止
- 日中、日差しのある時間帯に軽く散歩して血行促進
これらの小さな習慣が、冬場の介護疲れを大きく軽減します。
まとめ:冬支度は「安心支度」
冬は、家族も介護される側も体力を消耗しやすい季節です。
しかし、今のうちから少しずつ準備しておけば、寒さに慌てることなく、安心して過ごせる冬を迎えられます。
介護は毎日の積み重ね。
「今日できる冬支度」をひとつずつ整えて、家族みんなであたたかい冬を迎えましょう。



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