はじめに
介護をしていると、毎日のように小さな事件が起こります。最初は驚いたり、ちょっと笑えたりすることも、繰り返されるうちに「これって、うちだけじゃないの?」と疲れてしまうことも。
でも実は、どの家庭でも似たような「あるある」に直面しているんです。
ここでは、介護者の声をもとに「介護あるあるベスト5」をランキング形式でご紹介します。「あ~わかる!」と共感したり、「うちもそうだよ」と笑ったりしながら、ちょっとしたヒントや対処法もあわせてお伝えしますね。
第5位:同じ話を繰り返す
「昨日のご飯は何だったっけ?」
「この写真、誰だろうねぇ」
そんな会話が1日に何度も繰り返されること、ありませんか?
最初は「そうそう、カレーだったよ」と答えても、同じ質問が10分後にもう一度。さらに30分後にもまた同じ…。介護初心者のころは「どうして忘れちゃうんだろう?」と戸惑いますし、正直、疲れてしまう瞬間もあります。
どうして同じ話を繰り返すの?
認知症による記憶障害が背景にあることが多いです。新しい情報を記憶にとどめるのが難しいため、すぐに忘れてしまい、また同じことを尋ねてしまうのです。
対処法のヒント
- いちいち怒らないことが第一:「さっきも言ったでしょ!」は禁句。本人に悪気はありません。
- 写真やメモを活用:「今日のご飯はカレーだよ」とホワイトボードに書いておけば、質問の回数が減ることも。
- 会話のきっかけにする:同じ話題でも「そうだね、あのカレーはスパイシーだったね」と少しずつ広げれば、ちょっとした雑談になります。
繰り返しにイライラするのは自然なこと。でも「同じ話を聞けるのも、今だけかもしれない」と思えると、気持ちが少し楽になるかもしれません。
第4位:デイサービスに行きたくない攻防戦
朝になると始まるのが「デイに行きたくない」攻防戦。
「今日は疲れてるから休むよ」
「そんなところ行きたくない」
出かける直前になって服を脱ぎ始めたり、靴下を隠したり…。介護者にとっては、毎朝が小さな戦場です。
どうして嫌がるの?
- 環境の変化に不安を感じる
- 「知らない人ばかりで怖い」と思う
- 「自分は元気だから必要ない」というプライド
理由はさまざまですが、共通するのは「本人なりの不安や抵抗感」があること。
対処法のヒント
- 前向きな理由を伝える:「デイに行けばお風呂に入れてさっぱりできるよ」など、楽しみに繋がる声かけを。
- 事前に準備を整える:前夜に服を用意しておく、朝食後の流れを固定するなど、習慣化が有効。
- スタッフと連携する:本人が安心できる声かけを施設側と共有しておくと、スムーズに送り出せます。
「行きたくない!」が毎日続くと介護者は心が折れそうになりますが、実際に出かけてしまえば楽しんで帰ってくる方も多いんですよね。
第3位:食事での小さな事件簿
食事の時間は本来楽しいもの。でも介護の現場ではちょっとした事件が日常茶飯事。
「お菓子は食べるのにご飯は残す」
「おかずを全部混ぜてしまう」
「味が薄いと文句を言う」
背景にあること
- 噛む・飲み込む力の低下
- 味覚の変化
- 認知症によるこだわりや偏り
「どうして好き嫌いが増えたんだろう」と思うこともありますが、身体や脳の変化が影響しています。
対処法のヒント
- 一口サイズに工夫:食べやすさを重視すると、完食できることも。
- 好きなものを少し取り入れる:毎日全部健康的な食事でなくても「楽しみ」を残すことが大切。
- 無理に直そうとしない:混ぜて食べるのが本人にとって安心なら、それも一つのスタイル。
完璧を目指すと疲れてしまいます。「食べられること自体がありがたい」と切り替えると、少し気持ちが楽になりますよ。
第2位:物取られ妄想で大騒ぎ
「財布を盗んだのはあんたでしょ!」
「通帳がなくなった!誰か持ってった!」
介護者を一気に絶望させるのが「物取られ妄想」。特に身近な家族が疑われると、悲しさや怒りが込み上げてきます。
なぜこうなる?
記憶があいまいになり、置いた場所を忘れてしまう。その結果「誰かが盗んだ」と思い込むのです。
対処法のヒント
- 真っ向から否定しない:「盗んでない!」と言うとケンカに発展。まずは気持ちを受け止めましょう。
- 探すフリをして一緒に確認:本人の目の前で探すと安心しやすいです。
- 貴重品の管理方法を工夫:通帳や印鑑は金庫や別の場所に保管。本人用に“ダミー財布”を用意するのも手。
心がえぐられる出来事ですが、「疑われるのも病気のせい」と切り替えることが、介護を続けるうえでの大事な視点です。
第1位:夜中の徘徊で大混乱
介護あるあるランキングの堂々第1位は「夜中の徘徊」。
「トイレに行く」と言って出て行ったまま帰ってこない。
「家に帰る」と深夜に玄関を出ようとする。
家族は眠れず、体力も気力も削られます。
背景にあるもの
- 認知症による昼夜逆転
- 「ここは自分の家じゃない」という誤認
- 不安や落ち着かなさ
対処法のヒント
- 夜間センサーや見守り機器を導入:音で気づけるだけでも安心感が違います。
- 昼間の活動量を増やす:散歩や体操で日中に疲れてもらうと、夜の眠りにつながります。
- 本人の気持ちに寄り添う声かけ:「もう夜だよ」「ここがあなたの家だよ」と優しく伝える。
家族だけで抱え込むのは本当に危険です。デイサービスやショートステイを利用して休むことも、「共倒れを防ぐ大切な選択」です。
おわりに
介護あるあるは、時に笑えるけれど、時に涙が出るほどしんどいもの。でも「うちだけじゃない」「みんな同じ経験をしている」と知るだけで、心はずっと軽くなります。
この記事が、少しでも「共感」と「安心」につながれば嬉しいです。そして介護を続けるあなた自身が、少しでも肩の力を抜いて「まあ、今日もなんとかやっていこうか」と思えますように。



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