はじめに
在宅介護と仕事の両立。言葉にするとシンプルですが、実際にやっている人なら「これは人間の限界に挑戦しているのでは…?」と思うほど大変です。朝から晩までフル稼働。出勤前に介護の準備をして、仕事が終わったらすぐ帰宅して食事やおむつ替え、薬の管理。自分の時間なんてほとんどなく、「いつまで続けられるのだろう」と不安になる瞬間もあるでしょう。
でも、そんな毎日をなんとか続けるための工夫は必ずあります。この記事では、在宅介護と仕事を同時に担う家族が、少しでも疲れ果てずに乗り切るための考え方や小さな工夫を紹介します。完璧を目指さなくても大丈夫。「少しゆるめる」だけで、介護も仕事も自分自身も守れるのです。
なぜ両立がつらいのか?
介護と仕事の両立が難しいのは、単に時間が足りないだけではありません。精神的なプレッシャーも大きな要因です。
- 仕事の締め切りや人間関係に追われるストレス
- 親や家族の体調への心配
- 「私がやらなければ」という責任感
- 介護サービスや制度を使うことへの後ろめたさ
こうした感情が重なると、心の余裕がどんどん失われていきます。私自身も、以前は「会社に迷惑をかけてはいけない」「親を一人にしてはいけない」と自分を追い込み、結果的に倒れかけたことがありました。
時間をつくる工夫
家事を“しない”選択
介護と仕事を両立している人にとって、一番削れるのは「家事」です。
- 掃除は毎日じゃなくてもOK。ロボット掃除機やクイックルワイパーに任せる
- 洗濯はまとめて、乾燥機やコインランドリーを活用
- 食事は作り置きや冷凍食品をフル活用
「家事を完璧にこなすこと」が目的ではなく、「介護と仕事を続けられること」が大事。多少散らかっていても死ぬわけではありません。
通勤・スキマ時間を活用する
在宅勤務や時短勤務が難しい場合でも、通勤時間を「自分の時間」に変えることは可能です。音楽を聴く、読書をする、深呼吸するだけでも、気持ちの切り替えになります。
また、仕事の合間にメールを確認するように、介護の連絡やサービス調整をスマホで済ませると効率的。小さな工夫が、積み重なると大きな時短につながります。
心を守る工夫
「手を抜くこと」に罪悪感を持たない
在宅介護と仕事を両立している人の多くが感じるのは、「ちゃんとやれていないのでは」という罪悪感です。でも、100点を目指したら絶対に続きません。
私の知人は「今日は疲れすぎて、夕食はカップ麺に卵を落としただけ」という日があったそうですが、本人も家族もそれで十分満足だったそうです。大切なのは「元気でいること」。料理の豪華さではなく、一緒に食卓を囲む時間が心を支えるのです。
誰かに話す
在宅介護のつらさは、同じ経験をしていない人にはなかなか伝わりません。だからこそ、同じ立場の人に話すことが大事です。地域包括支援センターや介護者の会、SNSのコミュニティなど、話せる場所は意外と多いものです。
「大変だね」「わかるよ」と言ってもらえるだけで、心の重さが半分になることもあります。
制度を上手に使う
介護サービスを遠慮なく
デイサービス、ショートステイ、訪問介護など、制度を使うことは「怠け」ではありません。むしろ、介護を続けるための必要な手段です。
例えば、ショートステイを利用して親に数日間施設で過ごしてもらい、その間に自分は仕事に集中する。こうした使い方をするだけで、心身の疲れは大きく変わります。
会社に相談する
介護休暇や時短勤務の制度は、多くの会社に整っています。言い出しにくいかもしれませんが、相談すれば意外と柔軟に対応してくれる職場もあります。
「言わなければ伝わらない」。無理をして倒れる前に、まず一言相談してみましょう。
エピソード:田中さんの場合
田中さん(50代女性)は、母の在宅介護とフルタイムの仕事を両立しています。最初の頃は、朝5時に起きて介護、仕事から帰ったら夜10時まで介護と家事で、体も心も限界寸前でした。
ある日、同僚に「顔色が悪いよ」と言われたことをきっかけに、彼女は次の工夫を始めました。
- 家事は週末にまとめる
- 食事は宅配弁当サービスを導入
- 母には週2回デイサービスを利用してもらう
- 会社に時短勤務を申請
すると、少しずつ体調が戻り、母との会話も増えました。「完璧じゃなくていい」と思えたことで、仕事も介護も以前より前向きに取り組めるようになったのです。
おわりに
在宅介護と仕事の両立は、正直に言って楽ではありません。時には「全部投げ出したい」と思う日もあるでしょう。ですが、手を抜いてもいい、制度を使ってもいい、助けを借りてもいい のです。
完璧を求めず、工夫とサポートを上手に取り入れることで、「続けられる介護」と「続けられる仕事」の両立が見えてきます。まずは今日、ひとつだけでも「自分が楽になる工夫」を取り入れてみてください。それが未来の自分を助けます。
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