はじめに
在宅介護を続けていると、ふとした瞬間に心がずしんと重くなることがあります。
「私しか介護していない」
「誰にも理解されない」
「一人で抱え込んでいる」
そんな孤独感に押しつぶされそうになった経験はありませんか?
介護は24時間365日、待ったなしで続きます。体力のしんどさもさることながら、精神的な孤独感こそが家族介護者を追い詰める大きな原因になります。
でも、その孤独は“完全には消えない”としても、工夫次第でかなり軽くすることができます。この記事では、在宅介護にありがちな孤独感の正体と、その乗り越え方について一緒に考えていきましょう。
なぜ在宅介護で孤独を感じるのか?
「介護の大変さは、やった人にしかわからない」
外から見れば「家で家族を見ているだけ」かもしれません。けれど実際は、トイレ介助や入浴の準備、食事や薬の管理、夜中の見守りまで、やることは無限にあります。
それを続けているうちに、周りから「頑張ってるね」と声をかけられても、どこか空虚に響いてしまうことがあります。「いや、そんな軽いものじゃないんだよ」と。
家族の中でも“孤立”することがある
兄弟姉妹や親戚がいても、介護を直接担っているのは自分一人…というケースも珍しくありません。周囲が「ありがとう」と言ってくれても、「結局やっているのは私」という思いから、余計に孤独を深めてしまうのです。
自分の気持ちを言葉にできない
「つらい」「疲れた」と口にしたら、まるで親を大事に思っていないようで言いづらい。結果として、本音を誰にも話せず、孤独感が心の中でふくらんでいきます。
孤独感を軽くする工夫
① 「誰かに話す」を習慣にする
孤独感を一人で抱え込むと、頭の中でどんどん増幅していきます。だからこそ、“外に出す”ことが大切です。
- 地域包括支援センターの相談員
- 介護者の会(家族介護をしている人の交流会)
- オンラインの介護コミュニティやSNS
同じ経験をしている人に「わかるよ」と言ってもらえるだけで、不思議と心が軽くなります。
② 小さな「自分の時間」を死守する
孤独感は「自分が見えなくなる」ことから生まれます。1日10分でもいいので、介護から完全に離れる時間を意識的につくりましょう。
- コーヒーをゆっくり飲む
- ベランダで空を見上げる
- 好きな音楽を聴く
ほんの数分でも、「私には私の時間がある」と思えることが、孤独を和らげるカギになります。
③ 制度やサービスを遠慮なく利用する
デイサービスやショートステイを利用すると、たとえ数時間でも「介護から解放される時間」を持つことができます。
「私が見なければ」という気持ちは強いかもしれません。でも、介護サービスを使うことは“逃げ”ではなく、“続けるための戦略”です。
④ 「笑える瞬間」を大事にする
介護は真剣なものですが、時に思わず笑ってしまう場面もあります。例えば、親が昔の思い出を突然語り出して大笑いになったり、ちょっとした勘違いで場が和んだり。
その小さな「笑い」をメモしておいたり、SNSに投稿してみましょう。後から見返したときに「そんなに悪くなかったな」と思える心の支えになります。
具体的な工夫アイデア集
- 家族LINEを作り、介護の様子を共有して一人で抱え込まない
- 週1回は「自分の楽しみのために使う日」と決める
- 介護サービスを積極的に利用して休息時間を確保
- 同じ立場の人のブログやSNSを読むことで「仲間がいる」と感じる
- 気持ちをノートに書き出し、モヤモヤを外に出す
孤独感は「完全に消す」ことは難しいかもしれません。でも、「和らげること」はできます。
エピソード:一人で抱え込んでいた佐藤さん
佐藤さん(40代女性)は、在宅で父親の介護を続けています。兄弟は県外に住んでいて、ほとんどサポートはなし。仕事もパートを続けながらの毎日で、「私だけが介護している」という孤独感に押しつぶされそうでした。
ある日、地域包括支援センターの勧めで「介護者の会」に参加。最初は半信半疑でしたが、同じように介護をしている人たちと話すうちに、「私だけじゃなかったんだ」と実感。
それからは、デイサービスを利用して父の介護時間を少し減らし、自分の趣味の編み物を再開しました。孤独感が完全になくなったわけではありませんが、「話せる相手がいる」というだけで気持ちが大きく違うと感じています。
おわりに
在宅介護の孤独感は、見えない重りのように心を押しつぶします。ですが、その重りを一人で抱え込む必要はありません。
- 誰かに話す
- 自分の時間を確保する
- サービスを利用する
- 小さな笑いを拾う
この4つの工夫を少しずつ取り入れるだけでも、孤独感はぐっと軽くなります。介護を続けるのは「強さ」ではなく、「ゆるさ」と「助けの借り方」です。今日から一つだけでも試してみてください。
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