はじめに
在宅介護をしていると、家族は「介護」に意識が集中しがちです。
そんな隙を狙うように、高齢者をターゲットにした電話やSNSを使った詐欺が後を絶ちません。
「ちょっとした電話一本で、親が大金を渡してしまった」
「LINEで孫からのメッセージだと思い込んで、送金しそうになった」
――こうした被害の声は全国で相次いでいます。
介護の安心を守るためには、防犯=生活の一部として意識することが欠かせません。
この記事では、在宅介護家庭が気をつけるべき電話・SNS詐欺の実態と、今日から実践できる予防策を紹介します。
なぜ在宅介護家庭が狙われやすいのか
高齢者は「信じやすい」傾向がある
人を疑うことを知らずに育った世代の方は、声や文章を信じやすい傾向があります。
特に家族を名乗られると、「助けなきゃ」という気持ちが強く働いてしまいます。
また、「助け合い」や「献身」を美徳と考える世代でもありますので、困っている相手を無下にしづらいと考える方も多いはず。
孤独感が狙われる
介護を受ける高齢者は、日中ひとりで過ごす時間もあります。
そんなときに電話やメッセージが届くと、「話し相手ができた」と安心し、詐欺に巻き込まれることも。
介護者の不在を突かれる
介護者が買い物や仕事で家を空ける時間を狙って、電話がかかってくるケースも少なくありません。
「今がチャンス」とばかりに、短時間で金銭を要求されるのです。
よくある電話・SNS詐欺の手口
特殊詐欺→オレオレ詐欺(電話)
「オレだよ、事故を起こした」「会社でトラブルがあった」など、家族を名乗ってお金を要求する手口。
声をわざと震わせたり、泣いているふりをして“確認する余裕を与えない”のが特徴です。
還付金詐欺(電話+ATM誘導)
「医療費の還付があります」「介護保険料の払い戻しがあります」と役所を装い、ATMに誘導して送金させる詐欺。
「今日が期限です」と焦らせる点がポイントです。
LINEなりすまし詐欺
孫や子どもを装ってLINEを送り、「携帯を落とした」「急ぎでお金が必要」とメッセージしてきます。
普段のアイコンや口調を真似てくるため、本人と思い込んでしまう被害が増えています。
宅配業者や金融機関を装ったメール・SMS
「荷物の再配達」「カードの利用停止」といった内容で偽サイトに誘導し、情報を盗み取る手口。
高齢者がURLをそのままクリックしてしまうケースが多発しています。
在宅介護家庭でできる予防策
家族ルールを作る
- 「電話でお金の話はしない」
- 「LINEやメールで送金を頼むことは絶対にしない」
これをあらかじめ家族間のルールとして決めておくと、詐欺師の手口に揺らぎません。
合言葉を決めておく
万が一「本物かどうか」迷ったときのために、家族だけが知る合言葉を作っておくと安心です。
例:「子どもの頃に飼っていた犬の名前は?」など。
留守番電話機能を活用
知らない番号には出ず、留守番電話に切り替えてから判断する習慣をつけましょう。
詐欺師は録音を嫌うため、それだけでリスクを減らせます。
スマホやアプリの設定を見直す
- LINEの友達追加を「知り合いのみ」に制限
- 不審なURLをブロックするフィルターを導入
これだけでも被害を回避しやすくなります。
高齢者本人に伝えたいポイント
- 「知らない人の電話は取らなくていい」
- 「家族や役所が急にお金を要求することはない」
- 「少しでも不安を感じたら、必ず家族に相談する」
シンプルなルールを繰り返し伝えることが大切です。
紙に書いて電話のそばに貼っておくのも有効です。
家族の心構え
介護の現場では、どうしても「介護疲れ」や「時間のなさ」で細かい防犯まで意識が向きません。
ですが、詐欺の被害に遭ってしまえば金銭的な損失だけでなく、本人や家族の心のダメージも大きいのです。
- 定期的に詐欺の最新手口をニュースで確認する
- 介護者同士で情報を共有する
- 不審な電話やメッセージを見つけたら、警察相談窓口に通報する
――こうした意識を「日常の一部」として持っておくことが、最大の防御になります。
まとめ
在宅介護の家庭は、出入りや生活のパターンを狙われやすく、詐欺の標的になりがちです。
オレオレ詐欺、還付金詐欺、LINEなりすましなど、その手口は巧妙化しています。
しかし、家族ルール・合言葉・留守電活用・スマホ設定といったシンプルな工夫を積み重ねれば、被害は大きく減らせます。
介護を「安心して続ける」ためにも、防犯対策は家族みんなで取り組むことが大切です。



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