はじめに
在宅介護って、やってみる前と後でイメージがまったく違います。
「親の面倒を見るのは当たり前」「できるだけ自宅で」──そんな思いで始めたはずなのに、いざ生活が始まると想像以上に“心配ごと”が押し寄せてくる。
- この生活、いつまで続くんだろう…
- お金、足りるかな…
- きょうだいは協力してくれるのかな…
- 自分の体が先にダウンしたらどうしよう…
頭の中をグルグル回る不安。しかも答えがすぐに出ないものばかり。
この記事では、在宅介護をしているご家族がよく抱える4つの不安を取り上げて、「あるあるエピソード」と「少しでもラクになる豆知識」をまとめました。
読んで「自分だけじゃないんだ」とホッとしてもらえたらうれしいです。
不安①:いつまで続くの?将来が見えない不安
「介護の出口」が見えない毎日
在宅介護でまず直面するのは、「終わりが見えないこと」です。
入院なら「退院まで」、子育てなら「成人まで」とゴールがイメージできますが、介護には“期限”がありません。
ある利用者さんの娘さんがしていた話では、
「3か月くらいなら頑張れると思ってたら、あっという間に3年たってました。自分でもびっくりです」
まさに「気がつけば長期戦」なんですよね。
先が読めないからこそ疲れる
- 明日の状態がどうなるか分からない
- 1年後も続いているか分からない
- もしかしたら10年コースかもしれない
この“不透明さ”が、心をジワジワ削っていきます。
少しラクになる考え方と工夫
- 「長距離走」だと思ってペース配分する
- 今日100%で頑張る必要はない
- 「7割で続けられるペース」を見つける
- 専門職に相談する
- ケアマネージャーは「介護生活のナビ役」
- 定期的に現状を話して、プランを調整してもらう
- レスパイトケアを使う
- ショートステイやデイサービスは「介護を休むためにある」
- 罪悪感を持たず「電池交換」と思って利用する
「いつ終わるか分からない」ことは変えられません。
でも「走り方」「立ち止まり方」は工夫できる。
長距離マラソンだと思って、ちゃんと水分補給しながら走りましょう。
不安②:お金はどれくらい必要?介護と家計のハラハラ
毎月の出費がジワジワ効いてくる
在宅介護をしていると、最初に驚くのが「意外とお金がかかる」ということ。
- オムツやパッドなどの消耗品
- 食事や水分補助のためのレトルト・ゼリー
- 福祉用具のレンタル代や購入費
- デイサービスなどの利用料
1つ1つは数百円~数千円でも、積み重なると「えっ、今月こんなに!?」となるんですよね。
あるご家族の話では、
「父のオムツ代、光熱費を超えるんですけど…」
というリアルな悲鳴も。
将来のお金を考えると夜眠れない
「貯金がいつまで持つか分からない」
「子どもの教育費とダブルパンチ」
「自分の老後資金を食いつぶしてないか…」
こういう不安が頭を離れず、寝つけない夜を過ごす方も少なくありません。
少しラクになる考え方と工夫
- 介護保険をフル活用する
- 「1割負担(所得により2~3割)」で使えるサービスは、積極的に利用すべき。
- 介護ベッドや手すりなどはレンタルの方が安い。
- 医療費控除や高額介護サービス費をチェック
- 年間で一定額以上の自己負担があった場合、戻ってくる制度もある。
- ケアマネや役所に「うちも対象ですか?」と確認すると取りこぼし防止。
- お金の話は“早めにオープン”
- きょうだい間で「誰がどれくらい負担するか」を曖昧にしない。
- 黙っていると後で必ずモメる。
ちょっとブラックな“あるある”
- 「お金の話を出すと“冷たい人”扱いされる」
- 「介護には協力しないけど、遺産の話には元気に参加してくる」
…なんて兄弟間トラブルは、介護あるあるの鉄板です。
でも実際には、お金の話を避けると余計にギクシャクします。
むしろ「介護を続けるために必要な現実的な話」として、淡々と共有するのがベター。
切っても切れないお金の不安についてはこちらでも詳しく解説していますのでよければどうぞ↓
不安③:きょうだい・家族との関係がギクシャクする
「なんで私ばっかり!?」問題
在宅介護では、実際に一番多いストレスが “きょうだい格差” です。
- 「実家に近いから」という理由で全部任される
- 「仕事が忙しいから」と言って全く手伝わない兄弟
- 遠方にいるのに、たまに帰省しては口だけ出す
…これ、全国の介護家族が声をそろえてうなずく“あるある”です。
感情が爆発する瞬間
ある方は、母親の介護をほぼ一人で担っていたところ、久々に帰省した妹から
「もっとデイサービス使えば?工夫が足りないんじゃない?」
と言われ、心の中で「やってから言えーッ!」と叫んだとか。
まさに 「口だけ参戦」 は介護家族の天敵。
ギクシャクを防ぐちょっとした工夫
- 役割を“見える化”する
- 「私は通院付き添いと食事作り、あなたは費用負担○円」と表にする
- 曖昧にしないことで不満が減る
- LINEやノートで共有する
- ケア内容や費用を共有アプリやノートに残しておくと「知らなかった」が防げる
- 口だけ兄弟には“数字”で返す
- 「1か月でオムツ代が○円、デイ代が○円」
- 数字で伝えると現実味が出て黙るパターンも多い
ブラックユーモア寄りあるある
- 「兄弟会議は遺産相続よりも修羅場」
- 「手伝わないくせに『親孝行ポイント』だけ稼ごうとする」
- 「“ありがとう”の一言より“お金出して”の一言がほしい」
…こんなブラックな本音が飛び交うのも、介護の現場です。
不安④:介護と自分の生活の両立がむずかしい
「私の人生、どこいった?」問題
在宅介護を続けていると、ふとした瞬間にこんな気持ちがわきます。
- 旅行に行きたいけど、置いていけない
- 友達とランチなんて夢のまた夢
- 趣味?そんなものは過去の記憶に…
介護は「日常がずっと続く」ものなので、気づけば自分の時間がすり減っていくんですよね。
仕事との両立はフルマラソン級
特に働きながら介護をしている人は、毎日がマラソン。
朝:仕事に行く前に食事や薬の準備
昼:仕事中も「デイサービスちゃんと迎えに行けたかな?」とソワソワ
夜:帰宅後にお風呂・食事・洗濯…
気づけば「仕事=休憩時間」「家=フル稼働」という逆転生活になっていることも。
孤独感がつらい
友達や職場の人に「介護しててさ~」と話しても、なかなか実感してもらえない。
だから「自分だけが大変なんだ」って思い込んでしまう。
この孤独感こそが、在宅介護をやっている人の最大の敵かもしれません。
対処のヒント
- “自分の時間”を強制的に作る
- ショートステイを月1回だけでも利用する
- デイの日は仕事を早めに切り上げてカフェでひと休み
- 「ちょい手抜き」を自分に許可する
- 冷凍食品や宅食サービスを堂々と使う
- 掃除は“人が来るときだけ”やればOK
- 同じ境遇の人とつながる
- オンラインコミュニティやSNS
- 「うちもそうだよ!」という共感が何よりの救い
ブラックユーモア寄りあるある
- 「介護休暇って休暇じゃなくて“介護労働日”」
- 「趣味?…“寝落ち”が趣味です」
- 「私のご褒美は、静かなトイレ時間だけ」
…笑えないけど笑ってしまう、そんな本音がポロリ。
まとめ:ひとりじゃないから、今日もなんとかやっていける
在宅介護は、毎日が「忍耐」と「愛情」のマラソンです。
将来への不安も、お金の心配も、兄弟とのギクシャクも、そして自分の生活が消えてしまうような感覚も…ぜんぶ現実にあること。
でも、覚えていてほしいのは 「自分だけじゃない」 ということ。
- 行方不明になる小物を探して汗だくになってる人
- 兄弟と冷戦状態で「もう知らん!」と拗ねてる人
- 自分の時間が消えていくことにモヤモヤしてる人
みんな同じように「あるある」を抱えながら、それでも一歩ずつ日々を続けています。
だからこそ、
- 手を抜けるところは抜く
- 制度やサービスをちゃっかり使う
- ユーモアで気持ちを軽くする
そんな“小技”を使いながら、介護と向き合ってほしいと思います。
介護は「完璧」じゃなくていいんです。
ちょっと笑えて、ちょっと肩の力が抜ける。そんな日があるだけで、ぐっと楽になりますよ。
今日もお疲れさま。
そして、ここまで読んでくれたあなたに心からエールを送ります。
――一緒に、無理せず、ぼちぼちやっていきましょうね。




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